HENSHIN by KAMEN RIDER

+ INTERVIEW

窪塚洋介スペシャルインタビュー

ヒーローへの憧れを胸に変身し続ける。
「HENSHIN by KAMEN RIDER」リリース記念 窪塚洋介スペシャルインタビュー



ヒーローへの憧れを胸に変身し続ける。
「HENSHIN by KAMEN RIDER」リリース記念
窪塚洋介スペシャルインタビュー

あなたは窪塚洋介さんに、どんな印象を持っていますか?
裏原宿ストリートの象徴。誰にも真似できない個性を持った俳優。どこかエキセントリックな発言やキャラクター。そのどれもが半分の正解なのだと、彼の言葉を聞いて感じました。
窪塚さんは、どこまでも真っ直ぐで、想像力と思いやりのある、あたたかな人です。彼は俳優人生のなかで、何度も変身して、そのたびに新しい自分になってきた。と語ります。その上で変わらない自分もいると。その言葉は、新たにリリースされるファッションブランド「HENSHIN by KAMEN RIDER(以下 HENSHIN)」のコンセプトと符号するものでした。変身、正義と悪、そして腸活。過去経験したあの事故にも言及していただいた、縦横無尽のインタビューを、ぜひご覧ください。

『HENSHIN by KAMEN RIDER』とは
“変身!”というキャッチフレーズで知られる、仮面ライダー作品。
その場のなりゆきや外的要因により戦う宿命を背負わされる主人公たち。
彼らが不安や葛藤、挫折を味わいながら、次第に自分の中で覚悟を固めていく内面の変化こそ、仮面ライダー作品が持つ"タイムレスな価値"と捉え、服に袖を通す日常の過程で少しずつ自分をアップデートできる服を目指し、ファッションという切り口で「仮面ライダー」を再解釈・デザインするファッションブランド。




“落っこちてよかったって本気で思いますよ。
あれがなかったら、今日俺はこの服を着て撮影していないはずだし。”

ーインスタライブ、話題になっていますね。

あれを見た母親に、久しぶりに怒られたんですよ。40歳にもなって。

ーどのように怒られたのでしょう?

「あれ、何なの?ちゃんとしなさい。」って。でも、そこから懲りずに20回ぐらいやってます。
お酒飲んでいるから、やったことすら覚えてなかったりして。ツイッターで検索して「わー、俺やってたわー」みたいにあとで確認するっていう(笑)。

ー窪塚さん、本当に率直に話してくれるんですね(笑)

嘘だけはつかないって、そこだけは自分のことを信じていますからね。

ーそんな窪塚さんに、今回、「HENSHIN」という新コレクションの撮影にご出演いただきましたが、まずは実際に身に付けてみてどのように感じたか、率直な感想を伺いたいです。

正直、最初は、依頼のメールの文章だけを見て、お断りしようかなと思ったんですよ。

ーそうだったんですか。

プリントのTシャツとか、ライダーのユニフォームみたいなものだったらハードル高いし、自分のスタイルにはハマらないから。でも蓋を開けてみたら、すごくシンプルで、研ぎ澄まされた服で、「そういうことか」って。落とし込み方が洗練されている。研ぎ澄まし切った先端だけ切って使ってるような感じで。

ーそんな風に言っていただけるとは…。今回、キラーアイテムのスニーカーはオリジナルで制作したのですが、こちらはいかがでしたか?

めちゃくちゃ履きやすかったですよ。それぞれのライダーを上手く表現されてると思うし、個性的だし。合わない靴を履くと、撮影中に足が痛くなるんですけど、これはそんなことなく、何かあったときに、ライダーキックができるようになっているのかなって思いました。もしかして、ショッカーがつくっているんですか?(笑)

ー独自の生産背景で作っておりまして、そこは企業秘密ということで…(笑)

日本を代表する正義のヒーローの思想をブランドにするっていうコンセプトも、すごく面白いなと思って、感動した次第です。



ー「HENSHIN」のコンセプトは、「内面の変身」なのですが、窪塚さん自身はどう感じられますか?

あくまで自分の解釈ですが、「外見を変えれば内面が変わる」ということではなく、「内面が変わるから外見が変わる」っていうコンセプトを聞いてはっとしました。役者は衣装を着て、ヘアメイクをして、その役になっていく。外見によって中身が支えられているんですよ。
「HENSHIN」はその逆。内面にあるものを外見に反映させていくっていう。そこが、人生に誠実だし、人間らしいなって。

ー俳優として活躍されてきた窪塚さんが「変身」という言葉・概念についてどう捉えているのかも聞いてみたいです。

変身願望って誰にでもあると思う。特に俳優は、それがすごく強い奴らっていう気がします。
でも、僕は、いろんな役を演じるなかで「変わらない自分」を発見したんですよ。どの役をやっても、「ここは変わらないな」っていうところがあって。それが自分の核なんだなって。頑固になりたいわけではなくて、流れる時代に対しての自然なリアクション、自然なエフェクトは大切にしたいと思っています。「竹のようにしなやかに、柳のようにたおやかに」じゃないですけど、SNSが流行ったからインスタライブをやってみるとか、レゲエミュージックが好きだから歌を歌ってみるとか。変わらない自分を知りながら、その瞬間の衝動や世界の流れに寄り添いながら、変身し続けたいんですよね。

ーその考えに至ったきっかけって、何かあったのでしょうか?

正直、選べないぐらいいろんな出来事がありましたが、常に思うのは、今日はいつだって真新しい一日だということ。ここで初めてみなさんとお会いして、新しいブランドを着て、写真を撮ってもらっている。この瞬間は生まれて初めてですよね。真新しい一日が今この瞬間にあるんですよ。脱線するけど、地球は時速7万キロで、宇宙空間を進んでる。つまり、俺らは生まれてから死ぬまで1秒も同じ場所にいないんです。だから、何か失敗しちゃっても……例えば、マンションのベランダから落っこちちゃったりしても(笑)、また新しい日がやってくるから、心と体さえ折れなければやり直せるんですよ。まあ体は折れたんですけど。

ーあの事故から、そんな真理が見つかっていたとは。

起こった出来事は変えられないけど、起こった出来事に対するイメージは自分が変えられる。
「なんであんなことが!」だったものも「最高だったな」って感謝できるように、今を生きたらいいじゃないですか。落っこちてよかったって本気で思いますよ。あれがなかったら、今日俺はこの服を着て撮影していないはずだし。ある意味、過去は捉え方次第で変えられるんですよね。そう考えたほうが希望があると思うんです。

ー本当にそうですね。希望だと思います。



“昔自分が集めた好きなものが「世の中に洗脳されてはいけない」っていうことを声高に言ってくれていたんです。”

ー窪塚さん自身のヒーロー観について、教えていただきたいです。

小さい頃からヒーローという存在、概念への憧れが強かったんですよ。「正義と悪」とか、「世界を平和に」とか「地球を救う」みたいな思いが、かなり刷り込まれている。役者やったり音楽やったり本書いたり、いろんな表現をしているけど、それぞれ手段でしかなくて、その手段を使って何がしたいのかっていうと、世界を少しでもよくする一助になればいいなって。
ずっと拭えない思いがあるから、自分がやっている表現は、すべて「ヒーロー」という同じ根っこに行き着いてしまうんです。だんだん物心ついていく中で、ヒーロー像は、テレビで見た戦隊モノから、親父だったり、甲本ヒロトさんやボブマーリーといったアーティストに移り変わっていったけど、根底には幼い頃感じた憧れがあるんですよね。

ー大人になるにつれて、そういうピュアな思いって、ちょっとずつ揺らいだり、忘れてしまったりするように思います。窪塚さんがその感情を純度高く保っていられるのは、どうしてですか?

洗脳されていないから、じゃないですかね。世の中の当たり前とか常識を、「本当にそうなのか?」って考え続けているんです。まず、どんな人も、何かの真似をしながら大きくなると思うんですよ。親の真似をして箸の使い方や言葉を知るように、いろんなことを真似して、ひとつひとつ学んでいく。だんだん大きくなってくると、何を真似するか自分で選ぶようになって。自分は何が好きなのか、何が嫌いなのか、その集合体こそが自分の個性。僕の場合は、昔自分が集めた好きなものが「世の中に洗脳されてはいけない」っていうことを声高に言ってくれていたんですよ。大切なことは10代で触れたストリートカルチャーとか、漫画とか、ゲームとか、そういうものに教えてもらいました。

ーレゲエもロックもストリートカルチャーも、根底が社会の当たり前に対するカウンターですもんね。

そう、まさに。全く同じ環境で育って、全く同じように生きてきても、個人のアンテナの角度や高さによって受け取り方が変わっていく。それが個性だと思うから、自分にとって大切なものを見つけて、好きになって、それと一緒に生きていられたら、すごくハッピーだなあと思います。

ーそのアンテナを高く保ち続けるために、私たちは何をしたらいいと多いますか?

人それぞれ、みんなに合うガラスの靴はないと思う。でも、一つ言えることがあるとすれば……腸活じゃないですかね。



“「常識」とか「普通」を疑ってこそ、なんですよね。”

ー「腸活」ですか?

超簡単に説明すると、腸が運命を司ってるんです。ハッピーは腸次第。腸が元気で素敵だったら、素敵な人生が待ってますよ。だから窪塚"腸”介にしようかなって思ってるぐらい、腸は宇宙だなって。

ー具体的には、食事に気をつける、みたいなことでしょうか?

食事はまず基本ですね。三食食べない方が良いですよ。タモさん(タモリさん)とかたけしさん(ビートたけしさん)とか、1日一食なんです。もう何十年も。だから全然病気しないし健康なんですよ。僕は1食がちょっとさみしくて、今1.5食ぐらい。

ーどのタイミングで食事をされるんですか?

朝と晩は本当に少しだけ食べるんです。朝は野菜ジュースとヨーグルト。自分で作った豆乳ヨーグルトなんですけど、それで0.25食分。夜は腸にいい根菜類とか、発酵食品とか、海藻類をちょろっと食べて、0.25食分。これで0.5食。昼は好きなもの食べます。これで1.5食ですね。添加物が入ってるものは取らないようにして、なるべく笑って楽しく過ごす。肌の調子も良くなるし、すごい活力が湧いてきます。なぜ一食がいいかというと、一生で人が食べられる食べ物の量って決まってるんです。もちろん個人差があるけど、毎日いっぱい食べたら早く死ぬ。病気になったりするんですよ。少しずつゆっくり食べたら長生きできるんです。シンプルでわかりやすい考え方だと思う。

ー健康や体、自分の内面に目を向けていらっしゃるんですね。

そうですね。ここにコスモがあるので。自分に繋がることはみんなに繋がることです。この奥にみんないるんです。だからみんなが腸活をやったら、世界はどれだけ平和になるんだろうって本気で思っているんです。

ー腸活の話が、平和の話につながっていくんですね。この発想って、まさに窪塚さんらしいというか、さきほどのヒーロー像の話でも出てきた「世界をよくしたい」という思いが根っこにあるということなんだな、と感じました。

まさにそうなんですよ。今、世の中には世知辛いことが多いじゃないですか。暗い、窮屈な、ジメジメしたこと。あれは、自分の腸から来る体調の悪さを人にぶつけてると思うんです。それはもう悪の側じゃないですか。やっぱり僕はヒーローサイドでいたいから、腸活して、悪玉菌を減らして、善玉菌を増やしたいんですよね。変身ベルトは体内にあるんですよ。



ー改めて感じるんですけど、窪塚さん、「伝える」っていうことをすごく大切にされていますよね。音楽でも、言葉でも、インスタライブでも、もちろんお芝居でも、伝え続けているな、と。

昔は今よりももっと、鬱陶しいぐらい「伝えたい」って気持ちがありましたね。自分と同じようなスタンスの人じゃないと認めないみたいなところがあって、排他的だし、良くなかったと思う。今も「伝えたい」っていう気持ちはあるけど、「みんな違ってみんないい」と思うようになりました。

ーその変化はなにかきっかけがあったんですか?

そうですね。これは最近の話になるけど、寺田本家って千葉の香取にある340年続く酒蔵にお邪魔したんですよ。発芽玄米酒っていう日本でも珍しい玄米を使ったお酒を作ってるんです。そこの蔵は、「菌の多様性」がすごいんですよ。

ー菌の多様性って、どういうことですか?


そもそも日本酒の蔵は、住んでいる菌が大切なんです。いい菌もいれば悪い菌もいるんですけど、なかでも火落ち菌っていうのが悪の親玉みたいな存在。そいつが出た蔵は廃業しないといけないっていうほどなんです。でも、寺田本家の当主は「うちには火落ち菌もいますよ」って言うんですよ。「たくさんの種類の菌がいるから、火落ち菌が悪さできないんです」って。
菌の多様性があるから、悪い菌もいるけど、それをこらしめる菌もいて、いろんな菌のハーモニーが成立している。無敵の蔵なんですよね。何このかっこいい感じ、って思ってたら、「人も一緒ですよね。いろんな人がいるけど無駄な人なんていないんですよ。」って言われて、もうダー!って涙流しちゃって(笑)。

ー菌の社会の中に真理を見られたんですね。

そう。一般的な蔵は限られた菌だけしか存在しないように管理するんです。そこには多様性がないから、火落ち菌が出たらみんなやられちゃう。「常識」とか「普通」を疑ってこそ、なんですよね。実際、その寺田本家の日本酒はめちゃくちゃ美味しいんですよ。全部必要だから起こっていることだって捉えていくほうが健全だし自由じゃないですか。そういうふうにありたいなあと、改めてその思いを強くしましたね。

ー窪塚さんの自由な活躍や発言は、まさにそういう「型にはまらない価値」を伝えてくれていると思います。インスタライブを見て、勇気づけられましたよ。

炎上し切っちゃえば、もう燃えかすも残らないですからね。たまにおおげさには言ってますけど(笑)、どんだけ酔っ払っても嘘は言ってないんです。正直にやってるから、それで炎上するならしょうがない。この間もインスタライブで炎上したら5万人ぐらいフォロワーが増えて、やっぱり鳥って向かい風で高く飛ぶんだね、追い風じゃ高く飛べないよね!とか思って。人の意見で凹むのは20代前半で、もうさんざんやりましたからね。2ちゃんねるができた頃、まだピュアだったんで、自分で見に行って超凹むみたいな。

ーそんな過去もあったんですね。

GTOに出ていたぐらいの頃ですかね。そのときに叩かれすぎてアンテナ折れちゃったのかもしれない。全然大丈夫になっちゃった。もう今は鶏と競うぐらいのスピードで嫌なことを忘れていきます(笑)。

ーそれが、今を肯定し続ける窪塚さんの姿勢につながるのかもしれません。

そうですね。やっぱり今に集中して、今を楽しんで、今に感謝して生きるっていうことが、何よりも大事なことだと思う。

ーこれから挑戦したいことについて、最後に教えてください。

明日は海外ドラマのオーディションがあるんです。日本だけに限らず世界で挑戦しつつ、いい仕事を楽しんで、マイペースにやっていければいいかなと思います。変身し続けながら。



「HENSHIN」というブランドについて、窪塚さんの言葉を借りて説明するなら、「内面にあるものを外見に反映させていく」ということになります。ただ単に装うのではなく、意志や思想を大切にしながら、ファッションという手段で自分らしさを楽しんでゆく。
それは「HENSHIN」が実現したいビジョンであり、窪塚さんが語る、多様性のある社会のひとつのあり方と言えるでしょう。この思想への共感を緒に、是非一度袖を通してみてください。

文・取材: 長嶋太陽
撮影: 青山たかかず
ヘアメイク:佐藤修司
AD:大橋謙譲

〈窪塚洋介・Profile〉
1979年5月7日生まれ。神奈川県横須賀市出身。
1995年『金田一少年の事件簿』で俳優デビュー。その後2000年『池袋ウエストゲートパーク』の怪演で注目される。
2001年公開映画『GO』で第25回日本アカデミー賞新人賞と史上最年少での最優秀主演男優賞を受賞し、その名を一気に広め映画を中心に舞台でも活躍を続ける。
2017年にマーティン・スコセッシ監督作『Silence-沈黙-』でハリウッドデビューを果たし、海外にも積極的に進出。 現在Netflixにて『GIRI/HAJI』、Amazon Audibleで『アレク氏2120』(堤幸彦監督)が好評配信中のほか、2021年2月より『ファーストラヴ』(堤幸彦監督)が絶賛上映中。
また、レゲエDeeJayの卍LINEとして音楽活動を行う一方で、モデル、執筆と多彩な才能を発揮。
地球に良い、体に良いをテーマにした自身の番組『今をよくするTV』をYouTubeにて配信中。




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