HENSHIN by KAMEN RIDER

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ピエール中野スペシャルインタビュー

時代とともに変わるもの・変わらぬ想い。



ピエール中野スペシャルインタビュー
時代とともに変わるもの・変わらぬ想い。


手数、足数を駆使した高度なテクニックと表現力で、豪快かつ繊細な圧倒的プレイスタイルを確立し、日本を代表するドラマーの1人として、国内外に多くのファンを抱えるピエール中野さん。

自身がメンバーを務めるバンド「凛として時雨」以外にも、著名ミュージシャンのレコーディングへの参加、ドラムチューナー、テレビ出演、番組MC、DJ、ドラムDJ、音楽監修など、ドラマーの枠を超えた幅広い活動を展開している中野さんは、「HENSHIN」が掲げるテーマの1つである“クロスオーバー”を体現していると言えます。ヒーローとは「生きる喜びを与える存在」と語り、様々な外的要因を受け、迷い悩みながらも自分のスタイルを貫き、人々の笑顔のために闘い(活動し)続けるその姿はまさに、我々の知る仮面ライダー像とも重なるものでした。ピエール中野に迫るここだけの特別インタビュー。ぜひ最後までご覧ください。

『HENSHI by KAMEN RAIDER』とは
“変身!”というキャッチフレーズで知られる、仮面ライダー作品。その場のなりゆきや外的要因により戦う宿命を背負わされる主人公たち。
彼らが不安や葛藤、挫折を味わいながら、次第に自分の中で覚悟を固めていく内面の変化こそ、仮面ライダー作品が持つ"タイムレスな価値"と捉え、 服に袖を通す日常の過程で少しずつ自分をアップデートできる服を目指し、ファッションという切り口で「仮面ライダー」を再解釈・デザインするファッションブランド。




“使命感と責任を感じながら、ドラマーとしてのモードに自分自身を切り替える。
それが僕にとっての変身じゃないかなって。”

ーまずは、「HENSHIN」のスニーカーを着用いただいた感想をお教えください。

作り込みがすごいですよね。特にソールなんかはパッと見た瞬間に、他のブランドのスニーカーとの違いを明確に感じますね。このベルトのバックルも、履く際のカチャッていうワンアクションが楽しいですし。

ーこちらのモデルは『仮面ライダー龍騎』がモチーフになっているのですが、実はこのバックル部分は全モデル共通のディテールになっています。仮面ライダーにとっての変身ベルト的なイメージで。

なるほど。実際、これなんだろう?って思いつつ、カチャッとやった瞬間に装着感が得られるって、すごく良いアイデアを織り込んでいるなって感じました。それとアパレルブランドの作るスニーカーって、スポーツブランドが作るスニーカーとは違ったアプローチということもあってか、どうしても履き心地で勝てない部分があるんですが、コレは見た目もボリューミーなのに軽くて、すごく履きやすいし歩きやすい。

ーウェアももちろん「HENSHIN」です。

黒を着ることは多いですし、元々こういったオーバーシルエットの服も好きなので、すごく馴染むというかリラックス感があります。トップスもボトムスともに着やすいし、素材もシルエットもすごく色々考慮されて作られているのか、どんな体型のどんな人でも格好良く着こなせそう。

ー「HENSHIN」では、時代背景などの外的要因によって変わり続けながら、自分にとっての正解を導き出していくカウンターカルチャーを“ストリート”と捉えて、服に袖を通す日常の過程で少しずつ自分をアップデートできるウェアを展開しています。ファッションに関して、自分にとっての絶対的正解=マイルールはありますか?

基本的には“似合わないモノは着ない”くらいですかね。僕の好きなブランドはテーマやコンセプトを貫き続けてモノ作りをしているところが多いので、そういった作り手側の想いや意思がちゃんと見えてくるようなモノを選ぶことが多いと思います。また、ここ数年「モノを買いすぎるのもどうかな?」と考えるようになったこともあり、時代を経てなお名作と思えるモノを選ぶように変わってきました。世の中的にもサスティナブルという考え方が当然のものになってきていますし、僕も表に立って発信をする側なので、そういった時代の変化には敏感でありたい。今年で41歳になるということもあり、もうちょっとモノも大切に選んでいくべきだなって。

ーまさに内面的な変化ですね。中野さんは、“変身”というキーワードから何を連想されますか?


それが自分にとって身近なところでいえば、ドラマーとしてステージに立つ瞬間だと思います。ライブでステージに立つ自分と普段の自分って全然違うんですよ。もちろん緊張もするし、「今までやってきた成果をオーディエンスに届けなければいけない」という使命感と責任を感じながら、ドラマーとしてのモードに自分自身を切り替える。それが僕にとっての変身じゃないかなって。



“僕にとってのヒーロー像をひと言で表すならば「生きる喜びを与える存在」ですかね。”


ーヒーローの行動原理の1つに“力を得た者にはそれ相応の責任も伴う”というものがありますし、リンクしているように感じます。続いて、仮面ライダーに関する思い出があれば教えてください。

正直語れるほど詳しくはないです。でも、小学生の頃にファミコンソフトはやり込んでいましたよ。『仮面ライダー倶楽部』でしたっけ? あとは『とんねるずのみなさんのおかげです。』世代なので、仮面ライダーというとパロディの方が先にどうしてもきちゃう(笑)。それに仮面ライダー=硬派な作品というイメージがあって、やっていれば観るけどなかなか僕には入りづらくって。世代的にリアルタイムで放映していたのが『仮面ライダーBLACK』で当時8歳〜9歳だったんですが、子供ながらに異質な何かを感じていて「なんか、すごいのやってるなぁ」って印象はありましたね。

ー『仮面ライダーBLACK』は原点回帰的なところもあって、平成仮面ライダーに比べると怪人の造形や世界観などかなりシリアスだったので幼少期の中野少年には印象深かったんでしょうね。ちなみに男の子は誰しもが、ヒーロー願望を持つと思うのですが、中野さんはいかがですか?

そうですね。自分にとってヒーローと呼べる存在が何人もいますし、自分も誰かのヒーローになれたらいいなって思いながら今の活動をやっているので、そういった願望は少なからずあるんじゃないでしょうか。

ー中野さんにとってのヒーローは、やはりドラマーですか?

やっぱりドラマーやバンドマンが多いですね。自分がライブに行った時にその人のドラムを見て・聴いて、音楽でこんなに人の心を動かせるんだって感動して泣いたりして「自分も明日から頑張らなきゃ」っていう気持ちにもなりますし。それで自分もドラムの技術を磨いてきたことによってレコーディングに呼ばれたり、「凛として時雨」に参加できたわけですし、またそれを通じて感動してくれる人が出てきたりエンターテインメントの役割として機能しているところは実際にあるので。

ー実はヒーローって、身近にいるんだっていう。

さらに身近なところで言えば家族や兄弟もそうですね。自分が子供を育てる側になった時にどれだけ大変だったかが分かって、これはヒーローだなぁって。それからは、もっと格好いいヒーローになるには、どうすればいいんだろう?って考えるようにもなりました。僕にとってのヒーロー像をひと言で表すならば「生きる喜びを与える存在」ですかね。それはアイドルもそう。「Perfume」の挑戦の流れなんかは、すごくヒーローだなぁって感じます。

—ヒーロー像という流れでいえば、そもそもダークヒーロー的な存在として誕生したこともあり、善悪の曖昧さは仮面ライダーが追い続けるテーマでもあります。これは現代にも通ずるところではないでしょうか。

すごく難しいテーマですよね。今の時代ならネットやSNSを通してみんなが解説してくれるおかげで分かりやすく伝わりやすい部分も、情報共有がされにくかった当時は難しかったはずですし。そこをちゃんとエンターテイメント作品として表現した上で評価されているというのは、本当にスゴイことだなって改めて思います。

―中野さんはTwitterでファンの方と積極的に交流されていますが、ネットやSNSもまた外的要因の1つと言えますよね。

SNSをやっている方は、少なからず外的要因を受けているような印象はありますね。最近だと「好きなB'zの魅力を教えてください」って僕がポストして、それに対してのリプライをB'zファンが見て楽しむみたいな。書く方も楽しいし、自分と同じ感想のツイートを見つけて気に入ったらフォローする。そういった形のサウンドメディアを作ろうという取り組みをしているんですが、かなり盛り上がってきているので、これからも続けていきたいですね。

―SNS疲れとかはないんですか?

最近はないですね。前はあったりもしましたが、疲れたら鍵アカウントにしたり辞めちゃって、そこからまた戻ってきたりとか。これをやったらダメなんだとか、これは喜ばれるんだといった感じで、割とトライ&エラーを繰り返しながら続けています。何が正解かも変わってきていて、以前まではOKとされていたものが今はダメになっていたりとかも沢山ありますし。表現や発信をする際には、そういった大きな流れの中で、受け取る側がどう捉えるかっていうところが1番大事なのかなとは思っています。

“遊んでいてもそうですし、仕事していてもそう。常に何かしら「驚かせたい」という想いはあります。”

ー中野さんは「音楽が持つ力」について、どう考えますか?

誰にも奪えない思い出って、みんな持っているじゃないですか。10代の頃に聴いていた音楽を聴くと当時の日々が鮮明に蘇ってくるし、その楽曲が歳を重ねれば重ねるほど、美しく格好良く感じるようになったり、歌詞の意味合いも違う読み取り方が出来るようになったり。それって自分だけの特別な体験で、同じ音楽を聴いていても、それぞれ感じ方が違うんです。これは音楽以外では、なかなか体験することが難しいんだろうなぁって。

ー五感に結びつくことで、思い出はより色濃く鮮明に記憶されますよね。

ですね。例えば、季節の変わり目に感じる風や植物の匂い。そこに音楽が加わることで、それがさらに増幅される。なので、年齢を重ねていく中で、新しい音楽が聴けなくなっちゃったよって言う人の気持ちも分かるんですよ。だって昔聴いていた音楽は自分用にカスタマイズされているわけですから。

ーなぜ人は、過去の記憶を美しいものと感じるのか。これを聞いて納得しました。

それはすごく自然なことなんです。だからこそ逆に新しい音楽を知って今の時代感や出来事を重ね合わせておくことにより、また時間が経った時にその曲がすごく特別なものとして聴こえてくることもあるでしょうし。もちろん、今まで聴いたことないメロディーやリズムに感動することも当然あるんですが、やっぱり音楽の本質は「それが自分にとってどういう存在か」。そこがすごく重要なんじゃないかなって思います。

―音楽を聴くという行為は、すごくパーソナルな体験なんですね。

だからこそ、あの頃はあの曲が好きだったなぁとか、ライブであの曲を演った時に、メッチャ良かったって話も出来るし、他者と共有することにも繋がっていきますよね。そういった熱量が一番長く持続するんです。その点でいえば、音楽は絶大な力を持っているし、他にはないエンターテインメントでありアートなのだと思っています。だからこそみんな夢中になったり熱狂したりするんだなって。

―仮面ライダーという作品においてクロスオーバーもテーマの1つに挙げられますが、幅広く表現活動をしている中野さんは、ジャンルの壁についてどうお考えですか?

それぞれ別のジャンルで存在していたもの同士が交わることで、みんな意外性に驚かされ、それが鮮度にも繋がるわけじゃないですか。ただ無闇にジャンルの壁を越えればいいってわけではなく、双方のバランスが大事で、お互いのファンがどう納得する形を作れるか。要は「それをどう成立させるか」っていうのが作り手の力量が試されるところで、挑戦なわけです。一方で、受け手側からすれば「どうワクワクさせてくれるんだろう? どんな新しいものを見せてくれるんだろう?」って単純に楽しめますしね。

―最近では、映画『竜とそばかすの姫』の劇伴に中野さんが参加していたことが判明し、アニメファン・音楽ファンともに驚いていましたね。

エンドロールで初めて、僕がドラムとして楽曲に参加しているって知ったという声が多くって。もう一回観なきゃって人もいるし、どのシーンだったんだろうって探す人もいたりして。みんな喜んでくれているようで嬉しいですね。そういう意味でも、ジャンルの壁は「超えること」自体よりも「どう超えるか」が大事なのかなと思っています。

―話を聞いていて感じましたが、中野さんはサプライズがお好きなんですね。

子供の頃から人を「楽しませる」のは好きでした。サプライズってやっぱり楽しいじゃないですか。他者とその感情の動きを共有するのが、好きなんですよ。遊んでいてもそうですし、仕事していてもそう。常に何かしら「驚かせたい」という想いはあります。



“ドラムを叩くとみんな喜んでくれるんですけど、自分としては「そんなに?いつでも叩けるし、そんなに難しくないのになぁ」って。”

ーそれは幼少期の体験に紐付いているんでしょうか?

子供の頃は割と活発な性格で友達も多く、どこのコミュニティーとも付き合えるようなタイプでしたね。あと運動も大好きで、小学生の頃に野球とサッカーと陸上、中学生でバスケとスポーツをずっとやっていました。

ーそんなスポーツ少年が、いつ音楽に目覚めたのか興味深いですね。

スポーツで挫折して、これからどうしようか悩んでいた時に、たまたま友達が見せてくれたのがギターのカタログだったんです。それで、かっこいいよね。楽器店に行ってみようよ!って誘ってくれて。なので音楽の目覚めは、僕にとって挫折の果てに辿り着いた答えとも言えます。

ーなるほど。他に幼少期に好きで影響を受けたものってありますか?

ジャッキー・チェンが好きで、作品はすごく観ていましたね。強くて格好よくて面白いって全部の要素を持っているじゃないですか。あと『ビー・バップ・ハイスクール』シリーズの映画もすごく大好きでした。最近、YouTubeで出演者が当時を振り返って話をしたりしているので、それをいつも観ています。兼子信雄役の古川勉さんなんて、マジで変わってなくて最高なんですよね。喋りも上手だし声も良くって(笑)。スポーツ選手なら、キングカズこと三浦知良さんに憧れていましたね。

ーそういった憧れが転じて「自分ではない何かに変身したい」と思うことは?

あんまりないかな。世界中を旅するような人がいるじゃないですか?ああいう人に一度になってみたいとは思いますけどね。

ー『仮面ライダーオーズ』の主人公なんて、まさにそれでしたね。パンツ1枚しか持たず着の身気のままで世界を旅するみたいな。

考えられないですよね、パンツ1枚じゃ心配で(笑)。海外も行っちゃえば楽しいんですが、帰ってきた時に、最高だなぁ、日本ってなっちゃう。なので、世界を放浪している自分が想像つかないからこそ、一度味わってみたいなっていうのはあります。

ー「HENSHIN」のモノ作りにおいて、「変わること」にフォーカスすることで「変わらないこと」に気付かされることも多々あるのですが、自分の中で変えられない、もしくは変わらない部分があれば教えてください。

そこはあまり意識したことがなかったですね。先ほど話に出た「ジャンルの壁を超える」というのも、別のジャンルから求められてこそだと思っているので、そこに何を求められているのかなぁって考えますし、そこで勉強したり自分自身を分析したりすることによって、求められているのはこういうことだったのかって改めて気付かされることはあります。自分ではそんなに魅力だとは思っていなかったところが、一方ではすごく重宝されたりして。

ー具体例を挙げるなら?

ドラムを叩くとみんな喜んでくれるんですけど、自分としては「そんなに?いつでも叩けるし、そんなに難しくないのになぁ」って。それよりはライブのMCや、こうやってインタビューに答えたりする方がずっと大変ですよ。何年か前に、やったことないことをやってみようって時期があって、無茶なオファーもひたすら受け続けていたこともありましたが、今はさすがにもうお断りしています(笑)。

ーそんな時期を経て、今の中野さんがあるんですね、では、自分の人生が大きく変わったターニングポイントを教えてください。

音楽で生計を立てるというビジョンが想像出来ず、漠然と不安を感じていた22歳の頃。「凛として時雨」との出会いじゃないですかね。このバンドは間違いなく人気になるという確信が最初からあったので、やるしかない!ってライブもプロモーション活動も一生懸命やったし、その内に着々と数字が伸びてバンドも周知されドンドン人気が出て、自分らで作ったCDも売れて。そして事務所と契約して、全国流通のCDを出してメジャーデビュー。いわゆるバンドが売れていく流れという、やろうと思っても出来ない経験を得られたのは、すごく自分の中で大きかったです。なんせ、そこから人生がガラッと変わりましたから。

ー今、音楽以外のことに挑戦するなら?

先ほども話に挙がりましたが、僕の場合はバンドマンの中でもすごく珍しいタイプで、むしろ色々やりすぎているんですよ(笑)。DJをやったりバンドも別で作ったり、今だってサポートドラムもしているし。だからこそ続けていけているっていうのはあるんじゃないですかね。

ー1つのことを続けていると陥りがちなマンネリに対して、別方向からの刺激を与えることで、超えられなかった壁を突き抜けることが出来たりもして。

そうですね、なんか余裕が無くなっちゃうというか、やっぱりバンドのメンバー同士ってすごく特殊な関係性で、距離感の取り方次第でそのバンドの行く末が決まっていく。なのでそこは、すごく大事にして意識している部分ではあります。

ー改めて中野さんは、誰かと誰か、何かと何かを繋ぐハブのような存在だと感じました。

あぁ、そういう所はあるかもしれません。関わってくれた人に対して、悪いようにはしない人かもしれないですね。引き受けた仕事は一生懸命ちゃんとやるタイプなので。ドラマーということもあり職人的な部分がある一方で、表に出たりこういう取材やインタビューではなるべく相手に喜んでもらえるような言葉を残したいというのもありますし、その辺の責任感というか「みんなが喜んでくれる方向をちゃんと把握して動けるタイプ」ですかね。



“自分自身が経験したり体感し、嬉しかったり楽しかったことを、みんなと共有して分かち合いたいという想いが大前提にあり、それが全ての活動に結びついています。”

―インタビュー冒頭で、作り手側の想いや意思がちゃんと見えてくるようなモノを選ぶことが多いと伺いましたが、「HENSHIN」もまたメッセージ性を持ったブランドです。ドラマーの枠を超えた幅広い活動を展開している中野さんも、また様々な手段で“伝える”ことをされていると感じるのですが、それは意図しているものですか?

僕が伝えたいのは「楽しさ」。自分自身が経験したり体感し、嬉しかったり楽しかったことを、みんなと共有して分かち合いたいという想いが大前提にあり、それが全ての活動に結びついています。ドラムもDJもSNSもイヤホンのプロデュースも全部そうです。共有して、そこからまた感想や意見などのフィードバックがあって、さらに人生が充実していく。そうやって生まれる関係性やサイクルが好きなんです。

―あくまで相手ありきで成立するものということですね。逆に、自分勝手に好きなことをしたいとは思いませんか?

それって、すごく虚しいですよね。経験がないワケではありませんが、独りよがりでやったことってどれだけ上手くいったとしても、それは予想の範疇だったりして充実感が得られたことがないし楽しくないなって思ってしまったんですよね。それよりも、予測ができないことが起きる方がずっと楽しいじゃないですか。

―自分だけでは起こせない化学変化というのも絶対にありますからね。そんな中野さんをリスペクトし、その背中を追っている後進についてはどう感じていますか?

もちろん、僕に影響を受けてドラムを始めましたって言われるのはすごく嬉しいです。人に真似されたくないとかもまるでありません。ドラムの教則ビデオを出していますし、ドラムクリニックを開催したり、僕個人のシグネチャー・ドラムセットをスタジオに設置し、そこで誰でも気軽に触れることが出来るようにといった取り組みなど、みんなが音楽を楽しめる環境を作るという活動を積極的にかつ柔軟に行っているつもりですし。それと同時に、オーディオの魅力や素晴らしさをもっと沢山の人々に届けるというのも、ずっと挑戦し続けていることの1つですね。

―それでいえば「HENSHIN」も新たな挑戦として、「AVIOT」のTE-BD21jをベースとしたコラボモデルをリリースします。テスト機が上がってきたので、実際に着用してみていただけますか?

おぉ、メチャクチャ格好いいじゃないですか。ケースもいいですねシンプルで。

―パッケージには『仮面ライダークウガ』から『仮面ライダージオウ』まで、平成仮面ライダー歴代20作品の象徴するエンブレムがプリントされています。あと本作の特徴であるスペシャルギミックも味わっていただきたいです。ちょっと右耳側のタッチセンサーを長押ししてみてください!

え?なんか流れた!?

―専用アプリで切り替えることにより、平成仮面ライダー20作品の変身を感じることができるサウンドエフェクトが楽しめるんです。起動した瞬間にスイッチが入って、身体の内側からパワーが湧いてくる。そんなイメージを演出できればなと。

メッチャいいじゃないですか!自分の好きなライダーの変身音を聞くことで変身した気分になれるって、ファンにはすごく嬉しいですよね。よし、頑張るか!ってスイッチが入って、僕がライブのステージに立つ時でいえば、1段階ギアが上がって「やる気が漲る」みたいな感じ。それこそ歴代ライダー作品の主題歌プレイリストを作っておいて、それを流せばより気分も高まりますしね。個人的には『仮面ライダー555』のベルト起動音が好きですね。これはテンション上がるんじゃないですか。絶対に入手困難になるから、スゲェ数を生産しておいた方がいいと思いますよ(笑)。

自分自身が経験・体感し、嬉しかったり楽しかったことを、みんなと共有して分かち合いたいという想いを原動力に走り続けるピエール中野さん。誰かと誰か、何かと何かを繋ぐことで生み出される「共創」というこの考えが、現代を生きる我々はもちろん、クロスオーバーをコンセプトの1つに掲げる「HENSHIN」にとっても重要なエレメントとなっていくことは間違いありません。また、その「共創」によって音楽が持つ力をさらに大きく強く進化させてくれる「HENSHIN」×「AVIOT」のコラボイヤホンは、9月3日(金)に予約開始。そちらもお楽しみに。

文・取材:富永"トミー"修朗

〈ピエール中野(凛として時雨)・Profile〉
「凛として時雨」のドラマーであり、手数、足数を駆使した高度なテクニックと表現力で、豪快かつ繊細な圧倒的プレイスタイルを確立。 また国内唯一のドラム専門誌『リズム&ドラム・マガジン』の表紙を5度務め、ドラマガフェスでのパフォーマンスは最多動員を記録。同誌のドラムヒーローランキングでは国内2位に選ばれ、シグネチャー・スネアやスティックの年間売上トップクラスをキープするなど、ドラマーとして高い注目を集める一方で、著名ミュージシャンのレコーディングへの参加や、ドラムチューナー、テレビ出演、番組MC、DJ、ドラムDJ、音楽監修など、ドラマーの枠を超えた幅広い活動を展開。卓越したエゴサ能力、ピエール中野モデルのイヤホン・通称“ピヤホン”が爆発ヒットするなど、各所で話題を呼びまくる男。


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